カリフォルニア州が、紙の「レシート」を
禁止する法律を提出しました。環境ホル
モンの「ビスフェノールA」の影響は、
なんと紙幣から食べものにまで広がり、
生殖機能障害などの被害が世界に広がって
います。その実態とは!
◆「社会の裏側!」139
~でも本当は、缶詰など、食べものに含まれている現実こそが、子孫たちにも
大いに影響し、憂慮すべき課題だと言えるでしょうね~
やあ、こんにちは。
山田博士(ひろし)です。
お元気でしたか!
今日もまたお逢いしましたね。
嬉しいです。
地球という星を平和にしたい。
そして子どもたちの頬(ほほ)に流れる
涙をストップさせたい。
空をのんびり旅する雲たちを眺めながら、
ぼくはいつもその方法を考えています。
そのために、「食べもの」が人を180
度変え、家族を変え、文明を変え、歴史
を変えてきた重い事実を、知ってほしい。
★概略
アメリカのカリフォルニア州でこのほど、議会に、スーパーなどで
買い物をした際に発行される「紙のレシート」を禁止する法案……
が提出されました。
いよいよ法律で規制しようとなったわけです。
その理由は、「レシート」のコーティングに使われているある化学
物質が、人の健康や自然環境に有害ということなんですね。
もしこの法律が成立すれば、アメリカ社会への影響は必至です。
業界など、大騒動になることでしょう。
このある化学物質というのが、「環ホル」(環境ホルモン)でもある、
あの悪名高い「ビスフェノールA」でした。
★★★
この法案によりますと、スーパーやコンビニなどの小売店は、客が
要求しない限り、従来の紙の「レシート」は発行できなくなります。
そしてその代わりに、電子レシートなど紙以外の方法での対応を迫
られることになります。
まあ、業界は大変なことでしょうね。
その後、世界各国でも、この動きが加速しているようです。
アメリカの環境団体グリーン・アメリカによりますと、アメリカで
は、紙の「レシート」の使用によって、年間300万本以上の木と約
340億リットルの水が使われていると言います。
なんとも、凄い影響なんですね。
★★★
さらに、「レシート」の生産過程で約13万6000トンにおよぶ廃棄
物が発生し、40万台以上の自動車が排出する量に相当する温室効
果ガスが排出されていると言います。
そして、今回、本書で取り上げている、健康面でも懸念があるわけ
ですね。
なぜなら、この「レシート」に使われている感熱紙の多くが「ビス
フェノールA(BPA)」や「ビスフェノールS(BPS)」などでコーテ
ィングされているから。
これらは、生殖機能障害や二型糖尿病、甲状腺疾患など人体に影響
をおよぼす危険性があるとされているわけですね。
コトは、穏やかではありません。
★★★
欧州連合(EU)は現在、欧州グリーン・ディールの一環で、安全で
持続可能な化学物質の生産や利用を促進する方針を進めています。
そして日本企業の中でも、動きがあります。
たとえば、リコーが2020年、BPAやBPSの人体への影響が懸念
されていることなどを理由に、2021年春から「フェノール系化合
物」を含まない感熱紙の販売を開始するとし、生産・販売するすべ
ての感熱紙を順次「フェノールフリー」に変えていくということを
発表しています。
知らないのは、消費者ばかりなのでしょうね。
★★★
でも、この「ビスフェノールA」などの影響は、ただ単にこの「レ
シート用紙」だけに留まらず、紙幣もそうですし、缶詰などでも、
いろいろな問題が考えられます。
じつは、食べものへの影響こそ、ぼくは一番、憂慮しております。
子孫たちを泣かさないために……。
本書をお読みになり、ぜひ身近で可能な動きをなさって下さい。
ささささ、それじゃ、どうぞ……。
★目次
★(第1章)
その理由は、「レシート」のコーティングに使われているある化学
物質が、人の健康や自然環境に有害ということなんですね。もし
この法律が成立すれば、米社会への影響は必至です。業界など大
騒動になるでしょうね。このある化学物質とは、なんと環境ホル
モンの「ビスフェノールA」だったのです……
★(第2章)
欧州などでは、「ビスフェノールAフリー」なんて書かれた食べも
のが多いのですが、それはこの「ビスフェノールS」が使われて
いることが多いんですね。でも、じつはこれにも、やはり問題が
あることが最近分かりました(笑)。なぜなら……
★(第3章)
缶詰の内側をちょっとのぞいてみて下さいな。ピカピカにコーティ
ングされていませんか。それは、エポキシ樹脂(じゅし)……と言
いますが、この「ビスフェノールA」は、なんと、その「エポキシ
樹脂の原料」でした。そこで、それを使っていない缶の見分けかた
を、ソッとお教えしましょう……
★(第4章)
紙の「レシート」を廃止することは自然環境保護のためにも不可欠
であると、彼は強調していました。いずれにしても、ぼくたちは、
いま原点に戻って、今後をどうするか考えなくてはなりません。下
記で、ちょっとそのあたりを、ウダウダと述べてみたいと思います
……